こんにちわ、新庭(@araniwakon)です。
今回は、基礎中の基礎である「推敲」について、書かせていただきます。
「推敲」という言葉をご存じでしょうか。推敲と書いて<すいこう>と読みます。
推敲していない小説はこの世に存在しないのではないでしょうか。そう思わせるほど大切なものです。
「推敲」というのは、何度も文章を考えて練り直し、手直しする作業のことを言います。
「えー、書き直すのは手間だし、別にいいよ」
「せっかく書いたのに、見直すなんてめんどくさい」
「勢いで書いた方が面白いに決まってるよ」
そう思っているあなたは、小説家になることは難しいと思います。
世の中の小説家は、推敲を何度も重ねることで、作品を世に送り出しています。
では、なぜ、推敲が大事なのか。私が考えるに、推敲する理由は四つあります。
①誤字脱字はないかをチェックする
②ストーリーに矛盾はないかをチェックする
③一番良い文章で書かれているかをチェックする
④読者に伝わるように書かれているかをチェックする
それぞれについて、細かく見ていきましょう。
①誤字脱字はないか
書いた小説の文章がおかしい時、書き直さなければなりません。
誤字や脱字があると、文章の意味が正確に読者に伝わらないためです。
書き直すためには、読み直す必要があります。
そのため、一度も推敲していないなら、誤字や脱字がそのままになっていることでしょう。
もし、あなたが小説を読んでいた時、誤字があったらどう思いますか?
「あ、ここ、なんだか日本語おかしいな」となって、せっかく入り込んでいる物語から引き戻されてしまうのではないでしょうか。
また、誤字や脱字があると「ちゃんと小説書いてるのか、この作者は」と思われてしまいます。
もし、新人賞に応募するとしたら、この誤字脱字は、マイナスポイントとされてしまう可能性は高いです。
そのため、推敲して、誤字脱字を無くすように、手直しする必要があるのです。
②ストーリーに矛盾はないか
もし、ストーリーに矛盾が、すなわち、どう考えてもおかしな部分があった場合、あなたの小説は破綻しています。一番やってはいけないことだと思います。
さきほど、誤字や脱字について書きましたが、こちらに比べると、それらはまだ可愛い方だと思います。
もしストーリーに矛盾があったとしたら、読者は一気に白けます。せっかくどれほど物語が面白く盛り上がっていたとしても「ん、なんだこれ、ちょっとおかしくないか?」と読者が思ってしまった瞬間、作品の評価は一気に地に落ちてしまいます。
読者は物語を楽しんでいたのに、矛盾があるせいで、その世界観が崩壊してしまいます。
「なんでそうなるんだ?」と、作品の根底が覆ってしまうため、とてつもないマイナスファクターとなってしまいます。
そのため、何度も物語を見直して、矛盾点がないようにしましょう。もし、整合性がとれていないとなると、物語としては失敗作です。仮に新人賞に応募したとすれば、受賞は難しいと思います。
③一番良い文章で書かれているか
文章は、書き方は無限にあります。例えば「食べる」という単語ですが、類語辞典で調べてみると、次のようなものがヒットします。
- 上がる
- 喰う
- 召しあがる
- 召す
- いただく
- 食む
- 喰らう
単語の表現の仕方は、非常にたくさんありますし、書き方も作者の文体によって大きく変わってくることでしょう。状況によって、文章の表現を変えていく必要があります。
そのため、その文章で最も良い表現が出来ているのか、ということは、重要になります。
一文、一文をしっかり見直してみてください。
そして、あなたが一番良いと考えた一文に練り直してください。
④読者に伝わるように書かれているか
作者は、物語のすべてを知っています。作者なのだから当然です。
そのため、文中に書かれていないことも、作者はすべて知っています。
ですが、読者は書かれていないを知ることはできません。
文中での説明が不足していると、物語が伝わらないということが起こってしまいます。もちろん、わざと書かずに、想像で補ってくださいという書き方もあるかと思います。 そういったテクニックがあるのならいいのですが、ただただ説明していなかった、ということがあったら、問題だと思います。
説明は不足していませんか?
伝えたいことがしっかり書けていますか?
ちゃんと読者に伝わるように、物語を書けているのかという客観性を持って、書き直すことが必要となります。
そういった理由で、推敲をする必要があるのです。
推敲をする理由について、わかっていただけたでしょうか。
では次に、私がオススメする推敲のやり方についてです。
①少し時間を空ける
小説を書きあげた時、かなりハイになっているかと思います。
なので、一度、時間を置いて、書いた小説のことを忘れてみましょう。
そうすることで、客観的に文章を読むことができるようになります。
② 印刷して、見直す
パソコンなどで見るのと違い、印刷して読むことで、手直しがやりやすくなるかもしれません。
パソコンで見直していると、読みながら文章を手直しできるメリットはあるかと思います。ですが、その場合、書き手という意識はそのままになってしまいます。
ですが、紙に印刷することで、完全に読むだけの状態になります。
そのため、読者としての意識が強くなり、客観性が高まります。
これは精神的なものなのかなと思いますが、私自身、推敲するときは、印刷して読むことにしています。赤ペンを手に持って、気になったところを赤字で修正していきます。その後、その印刷原稿を元にして、パソコンで文章を修正します。
ずっとパソコンに向き合っている方は、試しに印刷してみるのも、オススメです。ちなみにプリンタはモノクロのレーザープリンタが良いです。なぜなら、インクジェットに比べて印刷速度が段違いに速いからです。印刷に時間がかかるのはストレスなので、レーザープリンタの購入をおすすめします。
ということで、推敲について、私の考えを書かせていただきました。
小説とは、推敲を重ねることで完成するということを、ご理解いただければと思います。
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