こんにちわ、新庭(@araniwakon)です
今回は小説での会話文の使い方の話です。
基本的な会話文のルールはあるのですが、私は押さえるポイントが7つあると考えています。
その7つをご紹介いたします。
なお、小説を書くためには、会話文を使えるようになることは最重要といってもいいでしょう。
私は、小説で会話文ほど重要なものはないと考えています。
なぜなら、キャラクターの会話こそが、物語でもっとも魅力的だからです。
小説は会話があってこそです
読者はキャラクターの会話や掛け合いを楽しみたいに違いありません。登場人物たちの話し方や決めゼリフ、名言といったものは、当然ながら、すべて会話から成り立っています。
なので、ちゃんとした書き方で会話を書くために、ルールを理解する必要があります。
ポイントをおさえて会話文を書くことで、あなたの小説も表現の幅を広げられますよ。
会話文とは
会話文とは、作中のキャラクターが話している文字のことです。文章を「 」(かぎかっこ)で囲うことで、口にしていると表現します。
会話を文字にしたものと言うのがわかりやすいですね。
文化庁のくぎり符号の使ひ方 という資料に、記載があります。
(6)カギ 「」
一、カギは、対話・引用語・題目、その他、特に他の文と分けたいと思ふ語句に用ひる(例1234)。
(1) 「お早う。」
文化庁 くぎり符号の使ひ方
ここでは「おはよう」と言っているわけです
会話文を使う時の7つのポイント
会話文の使い方ですが、私としてはポイントが7つあると考えています。
文字を「 」で囲むだけじゃないんですよ
それぞれ、例と一緒に解説していきます。
1.「 から始めて 」 で終わらせる
○
「仕事が忙しくて小説を書く暇がない」
×
【仕事が忙しくて小説を書く暇がない】
会話文は、「 」(かぎかっこ)の中に、文章を書くことが基本です。
「 のことを括弧開き(かっこひらき)もしくは始め括弧(はじめかっこ)と言います。
」のことを括弧閉じ(かっことじ)もしくは終わり括弧(おわりかっこ)と言います。
[ ] 【 】『 』( ){ }< >など、括弧(かっこ)と呼ばれるものはたくさんありますが、会話文の基本は「 」です。
「 」(かぎかっこ)を使うようにしてください
2.「 の頭は一字空けない
○
「仕事が忙しくて小説を書く暇がない」
×
「仕事が忙しくて小説を書く暇がない」
段落の頭は1字空けるのですが、会話文では空けません。
1字目を「(かっこひらき)で始めてください
1字空けについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
3. 」で終わる時、 。」とはしない
○
「仕事が忙しくて小説を書く暇がない」
×
「おもしろい小説をたくさん読みたい。」
小学校の頃、作文の書き方では 。」で終わるように教わったはずです。
私もそう習いました。
昔の小説だと、この終わり方をしていることがあります。
ですが、今の小説では 。」で終わることはないと考えてもいいです。
」(かっことじ)の前に 。は必要ありません
4.会話文の中で改行は基本的にはしないが、やってる場合もある
○
「仕事が忙しくて小説を書く暇がない。ツイッターをしてたら2時間経っていた。おもしろい小説をたくさん読みたい」
△
「仕事が忙しくて小説を書く暇がない。
ツイッターをしてたら2時間経っていた。
おもしろい小説をたくさん読みたい」
会話文の中で、改行をする必要はありません。
特に理由がないのでしたら、そのまま続けて、詰めて書いてください。
改行している小説を見かけることがありますが、会話文がすごく長い場合、段落を作ることで読みやすくするといった理由があります。
また、古い小説では、会話文の最後に 」(かっことじ)をつけない場合もあります。
「仕事が忙しくて小説を書く暇がない。ツイッターをしてたら2時間経っていた。
「おもしろい小説をたくさん読みたい」
このような書き方をすると、会話文が2つ続いていますが、同じ人物が続けて話しているという表現になります。
ただ、このような書き方をする理由がないのでしたら、使わないでいいです。
ややこしくなりますので、改行せずに、続けて書いてください。
会話文の中で改行するのはオススメしません
5.会話文の中で 「 」は使わない。使うとしたら『 』(二重かぎかっこ)を
○
「彼は仕事が忙しくて小説を書く暇がないらしい。『おもしろい小説をたくさん読みたい』と言っていたが、ツイッターをしてたら2時間経っていたらしい」
×
「彼は仕事が忙しくて小説を書く暇がないらしい。「おもしろい小説をたくさん読みたい」と言っていたが、ツイッターをしてたら2時間経っていたらしい」
会話文では「 」(かぎかっこ)を使うのが基本ですが、その中に「 」は入れなくていいです。
理由があってどうしても使いたい場合は『 』や【 】を使ってみるのがいいです。
上の例では『 』の中に入れることで 他の人の言葉だということを表現しています。
ただ、たまに変則的な使い方をしている場合もあります。
複数人が会話してるような表現
「「「「ええええ!」」」」
会話の途中で割り込むような表現
「彼は仕事が忙しいらし「忙しくない!」」
複数人が会話していることを表現するために「「「ええええ!」」」のように、かぎかっこを重ねるような書き方をしている人もいます。WEB小説では見ることがありますね。ライトノベルでもあるでしょうか。
また、会話の途中で割り込むような表現で使う場合もあります。
私個人としては、このような書き方をすることはないですね。
一般文芸ではほとんど使われることがないのではないでしょうか。ライトノベルやWEB小説ではありかもしれませんが、新人賞ではどう評価されるかは難しいところです。
変則的な使い方は賛否両論かもなので、使わない方が無難だと思います
6.「 」の後は改行することが基本だが、改行しない場合もある
○
「仕事が忙しくて小説を書く暇がないんだよな」
「俺も俺も。毎日残業してるからなあ」
「お互い、忙しくて大変だよな……」
△
「仕事が忙しくて小説を書く暇がないんだよな」「俺も俺も。毎日残業してるからなあ」「お互い、忙しくて大変だよな……」
会話文が終わったら、改行して次の段落から書き始めてください。
ただ、たまに改行なしで「 」を連発している文章を見ることがあります。
私もたまにそのような書き方をします。
これは、続けて書くとスピード感があるように見えるという表現ですね。
改行すると、会話文それぞれが一区切りになって読みやすいことがわかります。
ですが、改行なしだと、一気に文章が頭に入ってくるので、一気に会話しているような感覚になります。会話にスピード感を出させるために、改行しないで使う場合があります。
ただ、この表現には個人差があるかもです……。
改行しておけば間違いないです
7.「 」の後に、地の文を書くこともある
○
「仕事が忙しくて小説を書く暇がないんだよな」
俺は首を回しながら、ため息をついた。
○
「仕事が忙しくて小説を書く暇がないんだよな」と俺は首を回しながら、ため息をついた。
会話が終われば、改行して地の文を書くのが基本です。
ただ、その会話文に続けて、地の文を書くこともあります。
これは文章のテンポや、どのような文体が好きなのかなど、状況によります。
どちらも間違いではないと考えていいです。
なお、これらに関して、使い方の明確な決まりはありません。
私は感覚で使い分けています
まとめ
以上。
会話文の使い方について、7つのポイントをご紹介しました。
「 」(かぎかっこ)で囲むだけと考えていてもいいですが、変わった表現の仕方もあることがわかっていただけたでしょうか。
小説は会話が書いてて一番楽しいと私は考えています。
あなたも楽しい会話文をたくさん書いてください。
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