こんにちわ、新庭(@araniwakon)です
今回はストーリーのジャンル「魔法のランプ」についての話です。
ジャンルを意識することで、あなたの物語がとても良くなることをお約束します。
もし、あなたの作品が「~だったらいいのに」というストーリーの場合、この記事を参考にしてみてください。
なお、ブレイクスナイダーの10のストーリージャンルについては、こちらの記事に書いています。
その中の「魔法のランプ」について、焦点を当ててみます
魔法のランプとは
この手のストーリーがよく作られるのは、そういう願望が誰の心のなかにもあるからだ。おそらくアダムとイブの頃から人間はみな「~があったらいいのに」とつぶやいている。それに夢や願いが叶うのは気分がいいし、原始人でもわかるくらい単純で理解しやすいので、次々に作られ、しかもヒットするのである。
「SAVE THE CATの法則」ブレイク・シュナイダー フィルムアート社
主人公の願いが叶いますが、物語を経て、主人公が本当に大事なものに気づく、といったストーリーです。
どんな作品があるか
「魔法のランプ」の例としては「マスク」や「ジュマンジ」「アラジン」があげられています。
マスク
ジュマンジ
アラジン
3つのポイント<願い><魔力><教訓>
ブレイクスナイダーが言うに「魔法のランプ」というジャンルは、3つのポイントがあります。
それぞれについて解説していきます
<願い>願いと、普通の状態から脱する必要性
人の心の奥底には、願いがあります。
- 空を自由に飛びたいな
- タイムスリップしたいな
- 魔法を使いたいな
- 時間を止めてみたい
- 相手の思っていることを自由に知りたい
あなたも、こうしたことを願ったことはあるはずです。
ただ、こうした願いは、叶って欲しい反面「無理だろうな」という意識もあることでしょう。
このような、普通では実現することができない願いが必要です。
不可能なことができるようになるからこそ、快感が生まれるのです。
どうやっても実現不可能であるからこそ、叶ったら面白くなりますね
次に、必然性。
どうして主人公がそう願うのか。
その願いが叶ったことで、主人公にどのような得があるのか。
たとえば、主人公がものすごくお金持ちで、お金にまったく困っていなかったとします。
そんな彼に「負けると死ぬが、勝てば1億円が手に入るゲームをしないか」と持ちかけられても、やりませんよね。
いえ、お金で困ってないんで……
それよりも「愛する家族が病気で、手術のために今すぐにでも1億円が必要」という主人公なら、どうでしょうか。
自分の命をかけて、1億円を求めるに違いありません。
それに、そっちの方がストーリーとして魅力的になります。
ほら、お金に困った主人公が、家族のために命をかけるイメージが湧いてきませんか?
その願いでなければならない理由を考えてください
<魔力>魔力には、制限を作っておく
普通では実現できない願い。
そんな願いが簡単に叶うわけがありません。
どんなことでも無制限にできてしまうと、そこに面白みがなくなります。
そのための制限・ルールを設けましょう。
たとえば、アラジン。ランプの精であるジーニーは、どんな願いも叶えてくれるといいますが「叶えるのは3つまで」です。
ドラゴンボールだと、どんな願いも叶えてくれますが「7つの球を集めないといけない&願いは1つ&使ったら球は散り散りになってしまい1年間使えない&1度しか生き返ることができない」という様々なルールがあります。
これらのルールが存在することで、主人公の行動が制限されます。
制限されることで「どのように願いを使おうか」「もっと良い願いがあるのではないか」という葛藤が生まれ、ストーリーに深みが増します。
制限なしに何でもできるというのは、物語に深みが出ませんね
<教訓>主人公がどう変化したか
物語の締めくくりの話です。
制限がありつつも、主人公は願いを叶えます。魔法を使うことで、色々ありました。
しかし大事なのは、この物語で主人公はどう変わったのかというところです。
たとえば、アラジンですが、主人公は物語のラストで、王女様と結婚しようとします。しかし、王女様と結婚できるのは他の国の王子だけ。アラジンは願いで王子になることを勧められます。
しかし、アラジンは悩んだ末、別のことを願いました。
王子にはなれなかったアラジンでしたが、王女様は物語を通して彼を愛し、また、王様もそのことを許し、二人は結ばれます。
個人的におもしろいと感じるポイントは、本当の願いは魔法で叶えたのではないというところです。
魔法が使えるものの、魔法なしで願いが叶うというのは、見ていてとても感動しませんか。
自分の力で行動する――そうあるべきですね
まとめ
以上、ストーリーから見た10ジャンルの「魔法のランプ」でした。
3つのポイントを意識して、作品を作ってみてください
ちなみにですが、今回の記事はこちらの本を参考にしております。
とても勉強になる本ですので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。
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