こんにちわ、新庭(@araniwakon)です。
のだめカンタービレは傑作すぎますよね。マンガの元ネタがわかる方、私と話が合うと思います。
はい、今日のブログの記事ですが【小説を読みましょう】という話になります。
今回も、メインは初心者の方に向けた記事なのですが、それなりに小説を書ける人でも「小説をそこまで読まないよ」という人にはタメになるんじゃないかなと思います。
初心者の方は、小説の書き方を覚えたいと思っているかと思います。
そういった方が一番に求めるのは、文法作法のようなルールや構成、キャラクターの作り方などではないでしょうか。
「小説の句読点や改行はどうしたらいいの?」
「あらすじの書き方がわからない」
「物語の盛り上げ方ってどうやるの?」
「キャラクターってどう作るの?」
「伏線ってどうやって張ったらいいの?」
学ぶべきテクニックは、たくさんあるかと思います。
結論から言います。
小説を読むだけで、テクニックを覚えることができます。
何かを勉強しようと意気込む必要はありません。
面白い小説を、たくさん読んでください。
小説を学ぶには、小説を読むことが一番です。
「どうして、小説を読んでるだけで勉強になるの?」
はい、どうしてか。
なぜなら、面白い小説には、それらがすべて詰まっているからです。
小説には、たくさんの情報がつまっています。これは読んだ人にしかわからない感覚なのかもしれないのですが、読めば読むほど物語の書き方がわかってきます。物語の盛り上げ方や、伏線の張り方、読者への魅せ方が、手に取るように理解できるようになります。
面白い小説をたくさん読むだけで、あなたの小説を書く力が、ぐんぐんと上がっていくのです。
そうすれば、楽しみながら勉強ができるのです。
一石二鳥じゃないですか? 最高ですよね。
「ライトノベルの書き方」というような本はたくさん出版されています。私ももちろん持っています。そういった本を最初に読むことは、良いことだと思います。勉強になりますし、自分の知らなかった知識やテクニックを得ることもできます。
……ですが、ちょっと待ってください。
そういった本を読もうと思う気持ちを、ぐっと我慢してみてください。
買ってもいいです。買いたいのなら、買ってください。読みたいのなら、読んでも構いません。
ですが、きっと初心者の方は、読んでも、すんなりと頭に入ってこないかと思います。
それは、なぜか?
なぜなら、あなたはまだ、小説の基礎が固まっていないからです。
小説を読むことで、土台を固めましょう。
小説というものがどういうものなのか。それは、小説を読むことで理解できます。
小説を書きたいのでしたら、小説を読みましょう。
書きたいジャンルは何でしょうか。ファンタジー、SF、ミステリなど、色んなジャンルがあるかと思います。
今、ぱっと思いついたジャンルがありますよね?
……読んでください。
そのジャンルを、まずは百冊、読むことを目標としてください。
100冊です。
週に二冊読めば、一年ほどで完了することができるかと思います。
百冊読み終わった時、あなたは前よりも小説というものを理解していることでしょう。
それからようやく、小説の指南書を読んでみてください。おそらく、理解度が段違いだと思います。読みながら「あーはいはい、そうね、知ってる知ってる」と頷くことでしょう。そうなったら、しめたものです。もう、昔のあなたとは違います。
「百冊? そんなのとっくの昔に読み終わってるけど」という方。
素晴らしいと思います。かなりの読書家かと思います。
でしたら、五百冊を読むことを目標としてください。
作家の石田衣良先生が、とある動画で、こんなことを言っていました。
「特定のジャンルを書くためには、そのジャンルの小説を千冊読んでください。国内の作品を五百冊、海外の作品を五百冊です」
これは私の先生も、同様のことを言っていました。
「国内だけでなく、海外のものも読むようにする方がいい。国内のものだけだと、世界が狭くなってしまう。海外物はとんでもないものがある。視野、スケールを広げるためには、海外作品も読むべきだ」
そういうわけで、最終目標として、国内・海外合わせて1000冊、読んでください。
例えば、私ならミステリが好きで、ミステリを書きたいと考えましたので、国内のミステリを一冊読んだ後、海外のミステリを一冊読むというようなことをしました。
結構、海外物を読むのが苦手な人は多いんですよね。
ですが、我慢して読みましょう。
「登場人物の名前が覚えられない」
「登場人物が多すぎる」
「外国の地名が頭に入らない」
「文化がわからないからすっと物語に入り込めない」
全部、慣れです。読みまくってみてください。世界は広いと感じることができます。
長編が苦手なら、短編を読むでもいいです。
個人的には、世界短編傑作集という江戸川乱歩編の短編集があります。これの3が個人的におすすめです。一番好きなのは「ボーダーライン事件」ですかね。
そういうわけで、読めば読むほど、あなたは小説のことを理解できます。
昔、私が新人賞に受賞した時、本はそれほど読むことはありませんでした。そこまで読むことが重要と思っていなかったからです。
それに対し、仲良くなった作家の方は、とてつもない量を読んでいました。
海外物もめちゃくちゃ読んでましたし、国内作品も「なんでそんなに知ってるの?」というくらい知ってました。
その方は、今となっては超有名作家になって、私には手の届かない世界に行ってしまいました。
かつて、私は担当の編集者さんに、こう言われました。
「小説を読んでください。読まないなら、書いてください。書かないなら、読んでください」
読むことと書くことは、表裏一体なのではないかと思います。
私の小説の先生が、以前、こんなことを言っていました。
「最近、小説家になりたいって人は多いです。志望者はどんどん増えているし、新人賞も増えています。けど、小説は売れなくなってる。かなり出版数は減っています。これは、作家になりたいけど小説を読まない人が増えてるからですね」
毎年、デビューする人はいるのですが、どうもそれほど小説を読まないまま作家になる人が増えているようです。
「小説を読まないのにデビューしたって、かっこいい!」
そう思う人もいるかもしれません。そういう方もいらっしゃるでしょう。
ですが、読書量が多い人の方が、圧倒的に引き出しが多いため、有利なのは間違いないと思います。知っているというのは、とてつもない武器です。
読めば読むほど、ライバルと差がつけられるのではないでしょうか。
どうですか?
小説を読みたくなってきましたか?
さあ、今すぐ、小説を読みましょう。千冊を目指して。
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